猫童話

2005/03/30UP


 (起)
 えっと、朝起きると尻尾が生えてました。
 
 どうもネコになったみたいです。

 ちなみに昨日までは人間でした。

 ふつうに小学校に通ってました。

 名前は・・・

 思い出せません。

 でも今は『チビスケ』っていう名前みたい。

(承)
 台所の隅でキャットフードを食べていると お姉ちゃんが尻尾を引っ張りました。
 食べてる時はやめてってば。
 今日はお友達もいるみたい。
 「ねえねえ、この子オスなんだね」
 「チビって名前なのに大きいんだね」
 恥ずかしい。
 顔が真っ赤。
 でもネコだから毛で分からないの。

(転)
 「ね?ネコって去勢とかするんでしょ?」
 「去勢って?」
 「おちんちんを切っちゃうの」

 こわくなったので逃げました。
 走って逃げた先はお風呂場。

 「あれ?お風呂嫌いなのにね」

 た、助けてよ。
 足が届かないの。
 おぼれちゃうよ〜!

(結)
 目が覚めるとぼくはやっぱり人間の男の子。
 
 変な夢だったなあ。
 お姉ちゃんなんかいないのに。
 うちの家族はお父さんとお母さんとネコのミケコ。

 あれ?
 お風呂に落ちたのは夢だったのに。

 「あんたミケコのヒゲを切ったでしょ!ダメよ」
 ミケコを抱いたお母さんが入ってきた。

 ダメ。
 お布団めくったら。

 ミケコがぼくを見てクスッと笑ったような気がした。

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